1月の大雪が降った日におしるしがあり、「今日産まれたら雪ちゃんだね」と家族で話していました。
その日は産まれず、次の日の朝に陣痛が始まり雪道の中を病院に向かいました。
車から外の景色を眺めていると、上のお兄ちゃんが産まれた日と同じ青空のもと、真っ白な雪景色が一面に広がっていました。その雪の中に真っ直ぐに伸びる一本道がとても印象的で、思わず写真に収めました。

病院に到着してすぐに分娩へ。いきみの際に目をギュッとつぶると、雪景色を歩く女の子が頭に思い浮かび、その後に元気な泣き声が聞こえてきました。

この子は「あの雪景色のように真っ白な人生を、兄の産まれた日と同じ真っ青な青空に見守られながら一歩一歩、歩んでいくんだな」と思ったときに「真っ白な道を歩く…白歩」と名前を決めました。

ちなみに上のお兄ちゃんは、過去の名づけエピソードでグッドエピソードをいただき名前に「青」がつきます。2人の人生がお互いの色を補正し合うように、いつまでも仲良くすくすくと大きくなりますようにと願っています。

咲友佳は次女ですが、私の3人目の娘です。
4歳になるお姉ちゃんと、本当なら1歳のお姉ちゃんがいる3番目の女の子でした。

咲友佳が生まれるちょうど1年前、私は40週と2日で2人目の女の子を死産で生みました。
その後は、ただ悲しくて時間があっという間に過ぎ、先生に「妊活をしてもいい」と言われたタイミングで不妊治療をおこないました。
次女の咲友佳を授かり、臨月に入ってからも不安が大きく、眠れない日々を過ごしました。

そして6月に入ったとき、先の子のために植えた百合の花がきれいに咲いたのを、長女が見て「咲いた！！あの子の花！！」と駆け寄っていったとき「あぁ……この子は元気に生まれてくる」と思うことができたのです。

「咲」は、あの忘れられないほどきれいな花のように輝く未来を願う気持ち。
「友」は、友人や近しい人のご縁に恵まれますように。
「佳」は、美しく優しい女性になってほしいという思い。

咲友佳は2度、私のおなかにきてくれたのだと思っています。その理由は2番目の子の出産予定日がこの子の誕生日だからです。やっぱりママのところに行ってあげようって思ってくれたのだと思います。

咲友佳の名前の中に、2番目の子の名前がすこし入っているのは私とパパだけの秘密です。

結婚したらすぐに妊娠できると思っていましたが、なかなかできず、半年経ったころ私たちのもとへきてくれました。

本当にうれしくて、まだ性別もわからないときから産まれてきてくれるのが楽しみで、名前を考えてから眠るのが夫と日課になっていました。冬生まれということで、季節にちなんだ漢字を使いたくてお互いの候補で一致したのが「柊」でした。

子へはじめてのプレゼントになる名前なので、本当にこれでいいのかなとたくさん悩み……
私も夫も柊の由来がとても素敵で気に入り「柊」にあやかって、大切な人を守れる強さと心のやさしさを持ち、彩り豊かな実りのある人生を送れるようにと名づけました。

予定日が近づいてもなかなか産まれる気配がなかったのですが、なんと予定日ぴったりに産まれてきてくれました！

柊彩と過ごしていく中で、夫から「いい意味で変わった」と言われます。私も自分の変化を感じており、この子がいなければ今の私はいないので、本当にわが子にはたくさん救われているなと思うと同時に、毎日少しづつ成長していくわが子にとても幸せを感じています。

夫は、柊彩は私の「ヒーロー」だなと言っていました……！
本当にそうだなと私も思います。柊彩が素敵な人生を送れますように。

蒼桜という名前は、妊娠中に感動したサムライジャパンと出産時の季語である桜からとりました。

私が妊娠し、おなかの中の赤ちゃんと過ごしたのは2022年7月〜2023年4月。重いつわりが長く続き、命を育てることへの予想以上の過酷さを感じながらひたすら耐えていました。

そんな状況の中で、日本中に勇気を与えてくれたのが2022年のFIFAワールドカップと2023年のWBCです。リビングのソファで横寝をしながら、夫と2人で応援していたとき、テレビからの大きな声援に反応したのか、赤ちゃんがおなかをたくさん蹴ってくれて、まるで赤ちゃんも応援しているように思えました。ふんわりとした気持ちになったのを覚えています。家族が増えることがより楽しみになりました。

出産予定日の1カ月前、ようやく性別を知り、「家族の始まりの思い出を大切にしたい」という思いと「サムライジャパンのように挑戦し続けてほしい」という思いから、サムライブルーのアオを名前に入れることに。

また、私も夫も自然が好きでよく花見を楽しんでいたことから、春の季語として思い入れのある「桜」を取り入れることに。1年前に満開の桜の中、夫と結婚式の前撮りをしており、当時花見に訪れていた見ず知らずの方々からも祝福されて、その記憶が幸せの象徴として心に残っていたのです。

また「サクラサク」という言葉のように、たくさんの目標や夢に家族みんなで挑戦して、ひとつひとつ叶えていってほしいという思いもありました。「桜」という漢字を取り入れることで、目標を達成するためのお守りのような名前になる気がしています。

こうして完成した「蒼桜」という名前。桜は通常ピンクなので、「蒼い桜なんてあるの？」とも思いましたが、前例や常識にとらわれず夢に向かっていけるような気がしています。

難産だったのですが、乗り越えた先に蒼桜くんという桜を見られて、つわりやお産の痛みも吹き飛び、幸せの花びらが降り注ぎました。蒼桜くんの夢がサクラサクことを願っています。

愛し、愛され、幸せに育ってほしい。「愛」は感受性が強く、人の痛みがわかることを表す漢字です。「璃」は、瑠璃色にちなみ、宝石のように美しく育ってほしいという思いから選びました。

「あ」で始まる言葉には「明るい、明らか、ありのまま」といったものがあります。いつも明るく、笑顔を絶やさない、物事を前向きに考える、純粋で素直な頑張り屋になってほしいという強い思いを込めて、「あ」というよみを取り入れました。

そして、「あいり」の「り」のよみにもこだわりがあります。わが家では、祖母からずっと「り」が続いていて、私の名前にも「り」というよみが入っています。祖母や母は、自分と同じように大切な人と幸せになってほしいと思い、名前を継がせていたようです。

私は「この名前しかない！」と思っていましたが、夫には別の候補があったようで悩んでいるようでした。そこで、私たち夫婦は、上の子にも意見を求めてみることに。上の子はちょうどイヤイヤ期で「何でも嫌！」と言う時期でしたが、「愛璃は？」と聞いてみたところ、嫌とは言われず、他の候補の名前を聞いたところ「嫌」と言われてしまいました（笑）。

悩んでいた夫も、上の子の後押しと娘の顔を見て「愛璃かな」と言ってくれて、赤ちゃんの名前は愛璃に。夫はすでに娘を溺愛しています。

将来、娘が髪を伸ばしたいと言ったときに、髪を結えるようにしてあげたいと、今のうちから練習をするそうです。娘のために可愛い服を選んでいるときでも、一緒に笑って選んでくれます。

近ごろ、性別に捉われず自分の好きなように人生を送る人を目にするようになりました。生まれ持った性別と心の性別が異なっていても、私たち親が初めて子へ贈った名前で呼び続けたいと願い、子どもには男の子・女の子どちらでも呼べる名前をつけたいと考えていました。

また、人はひとりでは生きていけないと思っており、周りの人とのつながりを大切に助け合って生きてほしいという思いを込めた名前にしたいとも、妊娠がわかったころから考えていました。臨月に入ってもなかなか名前が決まりませんでしたが、予定日が2週間後に迫ったある日、さまざまな候補の中から「あお」という名前にピンときました。

漢字が決まらず、さらに1週間ほど悩みましたが、いくつか挙げた候補の中から「この漢字がいいね」と夫婦で話し合ったその日の午後、破水し「杏緒」が誕生。

きっと「この名前、この漢字がいい」と思い生まれてきたのだと思っています。「杏」には、中身も容姿も素晴らしい人に育ってほしい、実りある人生を送ってほしいという意味が、「緒」には人と人とのつながりを大切にする人に育ってほしいという意味が込められています。

女の子として生まれてきた杏緒ちゃんですが、もし心が男の子だったとしても、同じ名前で「あおくん」と初めて贈った名前を呼び続けたいと思います。

夏生まれの男の子の名前……と考え始めました。
私は保育士をしていて、夫は警察官です。
お互いに今まで出会ったことがない名前がいいなと思っており、なおかつ名字との相性がいい名前を候補として選びました。

夏の季語でもある蓮の花は、7～8月に白やピンクの美しい花を咲かせます。
泥から出て花を咲かせる蓮の花の生命力から、困難に負けず強く生きてほしいと思い“蓮”という漢字を選びました。花言葉は「清らかな心」や「神聖」です。清らかな心を持ち穏やかな人生を送ってほしいと思っています。

そして、壮大な宇宙に浮かぶ星のように「無限の可能性を秘めた人間に成長してほしい。自分の進む道で才能を発揮してほしい」という思いから“斗”という漢字を。
その二文字を合わせて“蓮斗”と名づけました。

「ろうき」という名前は、2023年のWBCで活躍されていた佐々木朗希選手からいただきました。漢字も同じになってしまいましたが、漢字にはそれぞれエピソードがあります。

まず1文字目の「朗」は出産時の思い出から。第2子である「朗希」の出産は7年半ぶりの出産でした。つわりなど体力的に大変だったこともありますが、妊娠14週目に破水と出血をして、切迫流産で入院することに。どうなるのかわからない不安な日々を過ごし、上の子との面会もできず、毎日泣いていました。

できる治療もなく、もうダメだと思っていましたが、症状が落ち着き、3週間の入院を経て退院することができました。そのあとは順調でトラブルもなく正産期に入ってから、3000g超えの元気なわが子を出産しました。

大変だった母親を労る気持ちを忘れないでほしいという思いから「ろう」と読む漢字がたくさんある中で、母親の名前の漢字である「朋」の月がついている「朗」を選びました。
「希」は、上の子に「輝」か「希」のどちらがいいと思うかを尋ねたところ、「希」を選んでくれたからです。学校で「希」を習ったところで、いろんな可能性を秘めている字だと感じたと言っていました。

母の代から引き継がれている「美」という漢字。
第1子にも使用していることと、第1子と第2子の名前が「る」で終わっていることから、第3子のこの子にも「美」と「る」を入れたいと決めていました。
しかし、候補をいくつか出すもなかなか決められず……。

子どもたちが寝静まったあとのリビングやファミレスなどで、夫とふたりで話し合っていました。最終的には姓名判断と夫の好みで「美来」に決めて、かわいらしい名前に私も夫も満足していました。

予定日より8日遅れてゆっくり出てきてくれた娘は、本当にかわいくて幸せいっぱいでした。役所への必要手続きは、入院中に夫がすべて済ませてくれていたので、私は安心していたのですが、入院生活が終わりに差しかかるころ、面会にきてくれていた夫がひと言。
「出生届の名前を誤った漢字で提出してしまった」と言うのです。

私の頭は真っ白になり、夫を責め立てたい気持ちもありましたが、まずは急いで役所へ連絡をしました。

すでに受理されている出生届の氏名変更は裁判所でしかできないとの説明を受けたのですが、本当にさまざまなことが重なり、結果的に追完届という書類を記入するだけで、氏名変更をおこなうことができたのです。

この日のことは一生忘れません。そしてピンチをくぐり抜けた強運を持つこの子は、この先の困難にも乗り越えていけるだろう、と希望を持つことができました。

わが子が、かけがえのない一番大切な存在ということから「稀少」と「唯一」から1文字ずつとって名づけました。

"唯一無二"……この世でただひとつしかなく、代わりがないもの。人と比べることなく、自分を大切にしてほしいという思いを込めています。

「き」に、のぎへんの「稀」を使った理由としては、のぎへんは稲や穀物を表し、豊かで恵まれるというイメージから「実りある人生を過ごせますように」という思い。
そして、"稲が実を熱すほど穂が垂れ下がるように、人間も学問や徳が深まるにつれ、かえって他人に対して謙虚になり、中身がない人ほど大きく振る舞うものだ"という意味のある「実るほど頭を垂れる稲穗かな」という言葉から、立派になるほど謙虚な姿勢でいてほしいという思いを添えました。