今年もパパとママから赤ちゃんの名づけエピソードを大募集しました。たくさんのなかから、ベビーカレンダー編集部が選んだエピソード大賞1名、グッドエピソード賞10名をご紹介します。画数や漢字の意味からだけでなく、家族の思い出や景色から名づけるパパやママも。みんなの世界に1つだけのオリジナリティ溢れる名づけエピソードに注目です。
私の名前は「夏」の「海」と書いて「なつみ」です。夏と海が大好きで、職業はイルカトレーナー。ぴったりの名前だね!と言われることも多く、私はこの名前が大人になった今でも大好きです。親から子どもへの初めてのプレゼントでもある「名前」。だからこどもができたら私と同じように、大きくなってもずっと大好きだと思える、そんな素敵な名前をプレゼントしたいと昔から漠然と思っていました。
妊娠5カ月ころ、赤ちゃんは女の子だとわかり名前を考え始めました。コロナ禍真っ只中であり、連日ロシアとウクライナの戦争もあり、決して平和とは言えない時代。この子が成長していく世界は、平和で穏やかな世界であってほしい。そして争いを好まず、誰に対してもやさしくできる穏やかな心を持った子になってほしい。そんなときに思い浮かんだ言葉が「凪」。凪とは風が止まり、波が穏やかになるという、海の状態を表す言葉です。海に関する字を入れられたらいいなと思っていたので、ぴったりの言葉でした。
「凪」だけでも十分素敵な名前ですが、これだと男の子に間違われてしまうこともありそうだなと思い、最後に1文字つけたいなと考えました。
なぎさ、なぎこ、なぎえ、なぎは……なぎは!!
音の響きから、かわいくてしっくりくる名前を探していたのですが、つけたい名前も漢字もすぐに閃きました。
漢字は「羽」という字。私たち夫婦の出会いのきっかけであるバドミントン(羽球)が由来です。
私たちはバドミントンを通して楽しい時間をたくさん重ね、バドミントンがなければきっとこの子も存在していない。こんな素敵な出会いを運んでくれた「羽」には心から感謝です。
そしてもうひとつ、私はまだ20歳になる前、好きな仕事をするために地元を離れ、遠く沖縄に羽ばたいてきました。そのためこの子も、自分の好きなことややりたいことを見つけ、大きく羽ばたいてほしい。そんな願いを込めました。
ちなみに2カ月の現在は、初めてのチャイルドシートに大量のうんちをお漏らししてママをパニックにさせたり、お風呂が大好きで毎日お湯を舐めて味わおうとしたり、穏やかな日常とはあまりにかけ離れていますが(笑)、いつか穏やかな日常が訪れることを願っています。
凪羽の未来に幸あれ!!
昨今の世界情勢から平和を願う2人の間に生まれた凪羽ちゃん。パパとママの願い通り、争わず穏やかでやさしい子になってくれそうですね。未来に向かって、大きく羽ばたくことができますように。
子どもが好きな私たち夫婦は結婚してすぐ妊活を始めました。性別はどっちでもかわいいね、名前はどうする?どっちに似るかな?と当たり前に妊娠できると思っていた私たちは、2人でするこんな会話が初めはとても楽しかったです。
しかし1年経っても授かれず、不妊治療専門の病院に通い始めました。薬を飲んで注射をしてタイミングをとる……毎月期待しては悲しんで、たくさん泣いてもう嫌になったり諦めそうになりながら2人で支え合ってきました。
そんな生活が2年続き、体外受精にステップアップすることを決めました。仕事が多忙だったため、体外受精をするにあたり退職することも決めました。
仕事も好きだったので退職を決意するのはつらかったですが、それ以上にわが子に会える可能性があるなら頑張りたかったのです。
そんな中、体外受精に挑戦する直前で妊娠がわかりました。自然妊娠でした。信じられなくてうれしくて泣いて喜びました。
そのとき夫が「うちに来てくれたヒーローや!」と言ったのです。
そこから、まだ性別もわからないおなかの中のちっちゃな赤ちゃんを「ひいろ」と呼ぶようになりました。
そして太陽のように明るくあたたかい心を持った子に育ってほしい、彩り豊かな人生を送ってほしいという意味を込めて「陽彩」と漢字をあてました。
陽彩ちゃんが生まれた瞬間、世界がキラキラに見えたこと、陽彩ちゃんのふにゃふにゃな顔、かわいい泣き声、うれしくてかわいすぎて感動して夫婦2人で号泣したこと、一生忘れません。
育児は大変なこともたくさんあるけど、それ以上にかわいくて愛おしくて癒されて、一緒にいられる毎日が幸せです。
陽彩ちゃんが大きくなったら教えてあげたい。あなたはパパとママのヒーローなんだよって。
パパとママのところにきてくれてありがとう、幸せをくれてありがとう。パパとママも一生かけて陽彩ちゃんを幸せにするからね。
お子さんを授かるために退職を決意したママ。そんなときにママのおなかにきてくれた陽彩ちゃんは、パパとママにとってまさにヒーローだったのですね。
2人の人生に彩りと光を与えてくれた陽彩ちゃんの人生が明るく暖かく、輝いたものになりますように。
私たち夫婦は入籍日、結婚式、遠出旅行といつも雨で、楽しみにしてる日は雨が降るのがお決まり。ある意味、雨に恵まれていました。
雨であることで、ひとついいことが。それは虹を見る機会が増えたことです。
私たちを繋ぐ橋、そして幸せを倍増させてくれるそんな存在の虹を、わが子の名前に入れたくて、生まれる前から「虹」をつけると決めていました。
そして、出産日の天気は珍しく晴れ! きっといい日を探して出ようとしてくれたのかなと思いました。
私たちは不妊治療をしていて、4年間待ち臨んでいたわが子。
1人目は流産してしまい、その後はなかなか授からず治療を始め、この子がきてくれました。はじめ、この子がおなかにきてくれたときは双子でしたが、バニシングツインで1人は母体に吸収されました。
もしかすると、私たち夫婦と赤ちゃん本人と3人を繋げてくれようとしてくれたのかもしれません。
そして、おなかにいるときは音楽を聴くと胎動が激しくてノリノリ♪ママはおなかがねじれるくらい痛かったですが、パパに似て音楽が好きなのかもと思いました。
そんな思いの中、「虹音」と名づけました。
「虹」には、天と地を結ぶという意味がある。パパとママを救ってくれた大事な子。夢や栄光に向かって頑張ってほしい。たくさんの人と出会って楽しい人生を送って欲しい。人の思いをくみ取れる思いやりのある優しい子に育って欲しい。
そして、自分なりの「音」(特色)を出して、一生懸命生きて欲しい。そんな気持ちや意味を込めました。
※バニシングツイン…双子のうちの1人が亡くなり、子宮内で消えてしまうこと
パパとママの思い出でもある「虹」が今度はお子さんの名前となり、2人にとって「虹」がさらに大切なものになったと思います。「天と地を結ぶ」という意味の通り、これからの人生でたくさんの人と出会い、夢や希望を掴んでいってほしいですね。
「陽」の字は私の亡くなった父からもらいました。私は幼いころから病気がちで、父はよく母と「この子は結婚が難しいだろうね」と話していたそうです。そんな父に結婚の報告をし、結婚式の日程を決めた矢先に、父は仕事中の事故で帰らぬ人となりました。亡くなったあとに周りの人から父が私の結婚をどんなにうれしそうに話していたかということを教えてもらいました。
私には一切うれしそうな顔をしなかったのに、父は私の結婚が決まって一番喜んでくれていた人でした。
そして、父が亡くなって1年後に「暖陽」は産まれました。
父は太陽のように周りを照らし、みんなから信頼されるような人でした。
そんな父から1文字もらい、あたたかく太陽のように周りを照らすような子になってほしいという思いで「暖陽(はるひ)」と名づけました。
孫に会わせてあげたかったな、抱っこしてもらいたかったなと思わない日はありません。
でも、きっと天国から暖陽のことをあの太陽のような笑顔で守ってくれていると信じています。
ママのお父さんからもらった「陽」という漢字。きっとじぃじは天国から見守っていてくれて成長を喜んでいると思います。ママのお父さんのように周囲を暖かく照らしてくれるはずです。
柚花はうちの5人目の子どもです。でも実際は長男と柚花の2人だけです。間に3人の子がいます。
その子たちはママのおなかにいる間に空へと帰ってしまいました。2人は双子ちゃん。その子たちが空へと帰ったあと私はすぐに赤ちゃんが欲しくて3人目を妊娠しました。それが悪かったのか4カ月で空へ……もう妊娠するのが怖かった。
パパと次の妊娠を最後にしようと決めました。その子が柚花。
早めに帝王切開での出産が決まって、毎日が不安で不安でしょうがなかったです。
そんな時帝王切開予定日の誕生花が柚の花だと知りました。花言葉は健康美。
健康で生まれてくれて育ってくれたらそれだけでいい。すぐに柚花にしたいとパパに話しました。
即決でした。
3人の分まで健康に……そんな願いを込めて名づけた大切な名前です。
健康を願うパパとママの願いを受けた柚花ちゃん。みんなに愛されてすくすく元気な女の子になってくださいね。
1月頭の大雪の次の日に生まれました。
妊娠中から逆子で、「回れ~、回れ~」という願いもむなしく、最後まで逆子を貫いた息子。
予定帝王切開でした。
手術前日が入院日で、天気はなんと大雪。
明日に控えた手術と、とうとう待ちに待った待望の赤ちゃんについに会えるという気持ちで、そわそわしながら病院の窓からどんどん降り積もる雪を眺めて過ごしました。
あまりに降るので、翌日の手術日に夫が病院までこれるか心配になるほど。
そして、とうとう手術当日。雪はやんでいました。
夫も無事に病院に着いてひと安心。
採血の注射すら苦手な私。手術中は怖くて早く終わることばかり考えていました。
そんな中、励ましてくれたのは息子の元気いっぱいの産声でした。
2年に渡る不妊治療と流産を乗り越えてやっときてくれた子です。やっとやっと、会えることができました。
手術も無事に終わって病室に移動しているとき、廊下の窓からびっくりするくらい明るい光が差し込んでいました。
昨日とはうって変わって快晴です。
その光が眩しくて、キラキラしていたのを覚えています。
病室に入る前に夫とも無事に会えましたが、手術直後の私は満足に会話もできずにそのときはお別れ。
その日の夜に夫からメールがありました。赤ちゃんの名前についてです。
赤ちゃんの名付けは夫にお願いしていました。妊娠中は毎日毎日パソコンで調べて、いろいろな候補を挙げてもらってましたが、そのときメールで送られてきた名前は、そのどれとも違いました。
「晴雪」で「はるゆき」
その名前を見て、夫も私と同じ気持ちだったのだと思いました。
白く降り積もった雪に、キラキラ反射する光が眩しくて、やっと待ちに待った息子に会えた。
私たちの気持ちも晴れやかでキラキラとしていました。そして、わが子には「晴雪」と名付けることに。
どうか、晴雪のこれからの人生も、雪が降るような寒いときがあっても、その後はキラキラと晴れやかでありますようにと思っています。
晴雪くんがうまれた後の景色は、きっとパパとママにとって一生忘れられない光景になったと思います。キラキラと雪が輝く美しい景色のように、これから晴雪くんの人生が明るく輝きますように。
わが家の2人目の子どもとしてやってきてくれました。
ひとりっ子の私は、早いうちからきょうだいのことを考えていたので2回目の妊娠はとてもうれしかったです。
しかも、1人目が女の子だったこともあり、次は男の子を育てたいと思っていたため、男の子だとわかったときは喜びは2倍にも膨れ上がりました。
夫と私とではセンスが違うのか、お互いが出す名前はすべてピンとこず、おじいちゃんやおばあちゃんなども含め家族総動員で考えてみましたが一向に決まる様子がないまま臨月を迎えることに。
そんな中、始まってしまったウクライナ戦争。コロナ禍もあり不安な日々を送る毎日。
そのとき、夫が提案した「拓実」という名前にしっくりきました。
どんな苦難も、自ら切り拓いて実らせることができるように。そんな願いを込めました。
出産時は元気に生まれてきた息子ですが、産後2カ月で、先天性の心疾患、心室中隔欠損症と診断され緊急入院をすることになりました。
息子は二度の手術をしなければならず、風邪などをひいてしまえば重篤な症状になりかねないので、お姉ちゃんと満足に遊ぶことさえ許されません。
すでに入退院を何度も繰り返していて、きっとつらい思いをしているに違いないと思うと心が痛みます。
名前に込めた願い通り、この難関を一緒に乗り越えてくれると思っています。そして、たくさん遊びに行きたいと願っています。
家族総動員で名前を考えてもらった拓実くん。みんなでにぎやかに意見を出し合う様子が目に浮かびます。不安な世の中や困難を乗り越える強さを持った男の子になってくれそうですね。
私の嫁ぎ先では、代々長男の名前には「源」の字を付けるというルールがあります。私の夫の名前は、「源公郎(げんくろう)」。
夫との婚約中から、もし男の子が生まれたら、名前はどうしようかなぁと考えていました。
なぜなら私の産む息子こそ、嫁ぎ先の記念すべき、10代目の「源」を継ぐ男だからです。
夫の「源公郎(げんくろう)」も、「く」という音は9代目の「9」を表しています。
息子は10代目。夫と同じように「源」だけでなく、「じゅう」という音も大事にしたいと思いました。
いろいろと考えた結果、息子を「源珠(げんじゅ)」と名づけました。
「源」の字と、「じゅ」という音を持つ「珠」。この字は10画でもあり、10代目の息子にピッタリだと思いました。
息子が大きくなったとき、自分の名前とその由来を、気に入ってくれるとうれしいです。
それと、息子と息子の未来のお嫁さん、長男の名づけはさらに難しいかもしれません(笑)。
パパの家の伝統を大切にした名前の源珠くん。自分のルーツが込められた名前を胸に、これからも家族に見守られ元気に楽しく過ごしてほしいです。
私の母がひと言、「孫を『ジンくん』と呼びたい」と言ったのがきっかけでした。
私の母は、K-POPアイドル「BTS」のジンくんの大ファンです。
私が妊娠して、赤ちゃんがまだ男の子か女の子かもわかっていないときからおなかに「ジンくん♪」と呼びかけていました。
「孫を『ジンくん』って呼びたい」
「名前を『ジンくん』にすればきっとBTSのジンくんみたいな素敵な子になる」
と半分冗談、半分本気で言うものですから、押し負けて「じん」がつく名前を探すことに。
ネットの画数占いで苗字と相性が良い「じん」がつく名前を探して、一番最初に出てきた「迅汰」に決定!
名前の由来を聞いた夫は苦笑いでしたが、「親孝行になるね」と受け入れてくれました。 出産後、結局私の母は孫を「じんた」と呼んでいます。なんでやねん(笑)。
そしてYouTubeでBTSの動画を見せながら、「じんた! 今映っているのはあなたのロールモデルのジンくんだぞ!」と教え込んでいます(笑)。
一方、迅汰は、BTSの動画は真剣に見ることが多く、また泣いてるときにジンくんのソロ曲を流すと不思議とピタッと泣き止みます!
かなりのジンくんファンです(笑)。
将来、BTSのジンくんみたいにちょっと天然だけどやさしくて人を大切にできる人になってくれるといいなと思います!
ママのお母さんが言った「『ジンくん』って呼びたい!」という願いを叶えて、ママのお母さんにとって最高の親孝行になったのではないでしょうか。願い通り、やさしくて周囲の人を大切にできる男の子になってくれると思います。
9月に入ったころ、まもなく予定日で、毎日早く生まれないかなぁ〜とおなかを擦りながら過ごしていました。
そんなとき、今年の9月10日の中秋の名月は、去年に引き続き満月。
今日生まれたら中秋の名月ベビーだなぁ〜なんて思っていたら夜にいきなり陣痛が始まりました。
まだ、間隔が空いていたので動けるうちにと外に出てみると雲ひとつなく、見事な満月でした。
月を眺めながら「元気に出ておいで」とおなかに話しかけていたら、一気に間隔が狭まり産院へ。
分娩室に一度行ったもののまだ時間がかかりそうだったため、部屋に入りました。
そして、陣痛の合間に部屋のトイレに入ったところ、正面の窓に神々しい満月がちょうど見え、座りながら満月のパワーをたっぷりもらいました。
その後はあっという間にお産が進み、日付が変わってすぐに1時間足らずで無事に出産しました。
日付が変わってしまったので中秋の名月ベビーとはならなかったものの、満月に照らされながら生まれた元気な女の子でした。
その後、夫と名前をどうするか話し、もともと名前は決まっていたのですが、やはりなかなかない「中秋の名月+満月」の中で産まれてきてくれたので、月に因んだ名前で、月から雫のようにポタっと生まれてきてくれたので「雫月」と名付けることにしました。
満月のパワーをたくさん受けてうまれた雫月ちゃん。「元気に出ておいで」というママの言葉を受けて一生懸命出てきてくれたのだと思います。「月から雫のようにポタっと生まれてきてくれた」という美しい表現がとても素敵ですね。
妊娠してからずっとさまざまな名前の候補を冷蔵庫に貼った紙に書いていましたが、生まれるまで本当に生まれてくるのか実感かわかず、名前候補リストはただただ増えるだけでした。
コロナ禍で立ち会いも面会もなく、産んだ日も夫との連絡はLINEだけ。
出産当日は、身体は疲れていたけれど頭はなぜか冴えていて、病室でひとり「今日はなんの日だろう?」と検索したところ、誕生日である3月28日は「シルクロードの日」と出てきました。
コロナ禍が始まる前に夫と2人で旅行したウズベキスタンの情景が目の前にばーっと浮かび、シルクロードの「絹」はどうだろう?と、夫にすぐ連絡。
夫からもすぐ返事がきて、「絹(きぬ)」に決まりました。
文化も人も入り混じるシルクロードのような混沌や多様性をありのままに受け入れ、絹のように繊細でしなやかな心を持つ人でありますように。と願いを込めました。
夫婦で旅が好きなので、いつか娘も一緒にシルクロードを旅したいです!
パパとママの旅行の思い出が名前となった絹ちゃん。日本らしい響きと「シルクロード」という異国の情景が相まったこの名前は、2人にしかつけられない唯一無二の名前だと思います。家族でシルクロードへ旅行に行くのが楽しみですね。