【専門家監修】赤ちゃんが寝返りをしなくても大丈夫?練習は必要?寝返りしない原因と対処法について

寝返りしない イメージ

 

赤ちゃんの最初の運動である寝返り。寝返りをしないと、ハイハイや起き上がることができないため、大切な運動となります。今回は赤ちゃんの大切な運動である寝返りについて、しない原因や対処法などについて解説します。

 

 

寝返りとはどういう動作でいつごろ始まるか?

寝返りとは、あお向けに寝た状態で体を動かしてうつ伏せになること指し、乳児の最初の運動になります。生後5~8カ月ごろには、多くの赤ちゃんができるようになっています。

 

寝返りには以下のような4つの段階があります。

①横向き寝(側臥位)までできる。腕(上肢)と脚(下肢)が同時に動く(分離して動かない)
②顔を左右に回すと同時で首を伸展させたときに寝返る
③自動的寝返り。寝返りはするがその後の運動につながらない
④ある目的のために寝返る。寝返りしてからおすわり、ハイハイをする

 

 

 

寝返りをしない原因は?

生後8カ月を過ぎても寝返りをしない場合、そして、ほかにハイハイなどの動作もできないようであれば、次のような原因がある可能性がありますので、気になる場合は医師の診断を受けてみましょう。

 

・筋緊張低下
何らかの原因で寝返りができるだけの筋力がないことが疑われます。一般的に見て、ほかの赤ちゃんよりも成長が遅い様子や、手足がだらんと伸びるようなことが見られます。いずれ、他の赤ちゃんと同じ程度にまで成長が追いつく場合もあれば、そのまま成長が遅いままということもあります。

 

・先天性ミオパチー
生まれつき筋組織の形態に異常があるため、筋力低下によるさまざまな症状が現れます。寝返りができないことのほか、本来なら歩けるようになっている時期に歩けないなど、運動発達の遅れがみられます。また、痰を出したり呼吸しにくかったりといった症状が現れることもありますが、ゆっくりと病状が進行するため、急に呼吸困難になるようなことはありません。他に、食欲不振や体重減少、眼球の動きが少ないなどの症状を伴うこともあります。

 

・脳性まひ
妊娠中から生後1カ月までに赤ちゃんの脳に損傷が起こり、運動麻痺に繋がった状態を「脳性まひ」といいます。知的障害を合併していることもありますが、合併していない赤ちゃんもいます。原因は、妊娠中や出産時に赤ちゃんの脳へと十分な酸素が供給されないことで起こる低酸素脳症で、その頻度は15%程度といわれています。ほかに、妊娠中に風疹になった場合や、薬物や毒物による中毒などでも起こることがあると言われています。ただし、妊娠や出産時に問題が起こらなかった場合でも脳性まひになることもあり、寝返りをしない、ハイハイをしないことなどから見つけるケースが多くあります。

 

・寝返りをする気がない
特に体に原因はなく、寝返りをせずにおすわりをするという子どももいます。成長の過程は赤ちゃんの個性なので必ずしも病気が原因とは限りません。

 

このように、寝返りをしない原因はいくつかありますが、寝返りをしないからと言って、すぐに病気が疑われる訳ではありません。しかし、生後8カ月を過ぎても寝返りをしない場合は、かかりつけ医に相談すると良いでしょう。

 

 

 

寝返りの練習は必要?

寝返りできる次回は生活環境や発達状況によって個人差が大きく、また練習の効果が大きいとされています。

 

もし、練習をするなら、寝返りしやすいような状況を作ってあげるといいでしょう。生後8カ月を過ぎても寝返りができず心配な場合は、受診して相談するようにしましょう。

 

寝返りの練習をする場合は、うつ伏せの状態で遊べるようになってから始めます。赤ちゃんを横向きに寝かせて、下になる脚はまっすぐ伸ばし、上になる脚は寝返りをする方向へ曲げます。それと同時に、寝返りをする方向へ腰を回転させましょう。あとは、自分で寝返りをするのを待ちます。赤ちゃんの視線の先にぬいぐるみやおもちゃなどを置くと、そこに向かおうとして寝返りを意識してくれるでしょう。

 

 

寝返りができるようになったら注意したいこと

寝返りができるようになったら、ベッドやソファからの転落のリスクが高くなります。ソファには寝かせず、柵がついているベビーベッドに寝かせるようにしましょう。また、赤ちゃんはいつ目を覚ますかわからないので、落下のリスクがある場所に寝かせるときは目を離さないようにすることが大切です。

 

また、寝返りができるようになると、あお向けに寝かせても、いつの間にかうつ伏せで寝ているようになります。うつぶせ寝は、寝つきが良いことや頭の形でよくなるなどの理由により親目線で好まれることが多いのですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク増加に繋がるとされているため注意が必要です。しかし、夜中などは赤ちゃんがうつぶせ寝をしていても気づけないケースがあります。

 

乳児突然死症候群のリスクを減らすために、次のようなことをすることをおすすめします。

・枕を使用しない
・シーツをしっかり張る
・硬めのマットレスを使う
・顔が毛布などで覆われないようにする
・短い袖の衣類を着せる

 

また、厚生労働省では、以下のことを推奨しています。

・1歳になるまでは寝かせるときはあお向けに寝かせる

・できるだけ母乳育児をする

・たばこをやめる

 

うつぶせ寝を無理にやめさせる必要はありませんが、このような点に気をつけるようにしましょう。

 

 

まとめ

寝返りをしない場合は、単に寝返りをする気が起こらないまたは、寝返りする必要がないというだけの可能性があります。しかし、脳性まひや先天性ミオパチーなどの病気の可能性もあるので、生後8カ月を過ぎても寝返りをしない場合は、一度、医師の診察を受けましょう。また、寝返りができるようになったら、事故や乳幼児突然死症候群の予防のために、睡眠環境を整えるようにしましょう。

 

引用文献 有馬正高、北原佶 小児の姿勢 診断と治療社 1980

 

 

 

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監修者

医師 松井 潔 先生

小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長


愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


経歴

1986年 愛媛大学医学部卒業

1986-1988年 神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント

1988-1990年 同神経内科非常勤

1990-1992年 国立精神・神経センター小児神経科レジデント

1992-2005年 神奈川県立こども医療センター新生児科 医長

2005年− 同総合診療科 部長

 

■専門領域

小児科

小児神経

新生児

 

■所属学会・委員等

日本小児科学会

日本小児神経学会

日本周産期新生児医学会

日本てんかん学


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