うつぶせ? それともあお向け?
欧米で主流のうつぶせ寝は、「頭の形がよくなる」「寝つきがよい」といった理由から一時注目を浴びました。しかし、うつぶせ寝のほうが幼児突然死症候群(SIDS)が起こりやすいというデータがあり、最近はあお向け寝で育てることがすすめられています。また、寝返りのできない赤ちゃんをうつぶせ寝にした場合、窒息する危険性がないとはいえません。厚生労働省では、1歳になるまでは寝かせるときはあお向けに寝かせることを推奨しています。寝返りができるようになると、赤ちゃんは自分の好きな格好で眠るようになります。あお向け寝が好きな赤ちゃんもいれば、うつぶせ寝が好きな赤ちゃんや、いつも同じ方向を向いて眠っている赤ちゃんもいます。「頭の形がいびつになっている」と気にするお母さんもいますが、小学生のころになるとほとんど分からなくなります。あえて寝方を直す必要はありません。
乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するためには
SIDSとは、それまで元気だった赤ちゃんが睡眠中に何の前触れもなく亡くなってしまう病気です。日本では乳幼児の約2,000人に1人の割合で起こるといわれていますが、原因はまだ解明されていません。
予防策として、
1.あお向けに寝かせる
2.妊娠中や乳幼児の周囲でたばこを吸わない
3.できるだけ母乳で育てる
といった対策が有効であることがわかっています。

監修者
医師 三石 知左子 先生
小児科 | 葛飾赤十字産院院長
東京女子医科大学小児科入局後、東京女子医科大学母子総合医療センター小児保健部門講師などを経て、現在、葛飾赤十字産院院長、東京女子医科大学非常勤講師。
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