妊娠9ヶ月に入ります。おなかが胃を圧迫し、胃がむかむかしてつわりのような体調になることもあります。無理せず、少しずつ食べましょう。膀胱も圧迫されて、くしゃみや咳で軽い尿モレをしやすくなります。替えの下着を携帯すると安心です。
赤ちゃんの成長
- ・身長は約42〜43cm
- ・重さは1500〜2200g程度
骨がほぼ完成し、超音波写真などでもしっかりと確認することができるようになります。循環する羊水量が少しずつ減って、赤ちゃんが動けるスペースも狭くなってきます。
ママの体の変化
- ・心臓が子宮に圧迫される
- ・胃も子宮に圧迫される
子宮は胃だけでなく、肺や心臓にも負担がかかり動機や息切れに悩まされます。体は出産へと少しずつ変化しています。おりものの量も増えてきます。おりものの変化には気をつけておきましょう。
栄養と食生活
ママの体が温かいと、子宮内の胎盤の血流もよくなり、赤ちゃんへ酸素や栄養素もよく行き渡ります。温かい飲み物を飲むようにしたり、根菜類を食べたりなど、体の中から温める食習慣をつけましょう。
その他の症状
頻尿・尿もれ
大きくなった子宮が膀胱を圧迫することでおきます。ホルモンの影響で骨盤底筋が緩んでくることも原因の1つです。我慢すると膀胱炎になってしまうので、まめにトイレに行きましょう。くしゃみや笑った時に尿もれをしてしまう人は生理用ナプキンをしておきましょう。
不眠
お産が近づくと眠れなくなることがあります。おなかが大きくなったことによる身体的なこともありますが、不安や緊張など心理的なことによって不眠になることも。また妊娠後期になると、産後の授乳に備え「プロラクチン」というホルモンが分泌されることにより、眠りが切れ切れになる人が多い頃です。
気をつけること
情緒不安定になりやすいとき
出産への不安から情緒不安定になりやくくなります。痛みに耐えられるか不安に思うママもいますが、出産はママだけでなく赤ちゃんも頑張っています。「赤ちゃんと一緒に」と思えば乗り切れるはず。
お産のシミュレーションをしておこう
9カ月に入ったら、陣痛がおきたときのシミュレーションをしておきましょう。病院へ行く方法や入院を連絡する人などを決めておきましょう。破水が起こった場合には、入浴はせずに産院へ連絡をして、すぐに向かいましょう。
この時期のトラブル
早産に気をつけましょう
早産とは、妊娠22週以降37週未満に出産になった場合を言います。妊娠22週を過ぎれば、万が一出産になっても赤ちゃんが育つことは可能ですが、早ければ早いほど大変です。安定期だからといって安心せずに、なるべく早産を防げるように、おなかの痛みや出血など、小さなサインも見逃さないようにしましょう。
TODOリスト
□栄養バランスのいい食事をする
□お産に向けて体力作りをする
□出産のイメージトレーニングをする

監修者
医師 池谷 美樹 先生
産婦人科 | 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長
岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務、東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、博士号取得、国立成育医療研究センター周産期診療部勤務、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長。